学校法人会計基準の実施について(学校法人財務基準調査研究会報告)
  昭和45年12月1日
 
 文部大臣所轄学校法人が学校法人会計基準による会計に移行するため必要な事
項については,昭和45年5月以来検討を行ない,7月13日に一応の結論を得て中
間報告しましたが,その後,この中間報告について学校法人会計基準研修会にお
いて提出のあった意見等を勘案して検討を行なった結果,このほど別紙のとおり
結論を得たので報告します。
 なお、都道府県知事所轄学技法人が学校法人会計基準による会計に移行するた
め必要な事項については,別途検討する予定であります。
 
 
〔別 紙〕
 
学校法人会計基準の実施について(報告)
 
1 基本方針
 学校法人の会計の状況にかんがみ,学校法人会計基準の実施についての基本
方針は,次のとおりである。
(1)学校法人が,「基準」による会計に円滑に移行できるようにする。
(2)「基準」による会計に移行するにあたって,また,移行した後において経
  済的負担を著しく増加しないよう配慮する。
(3)「基準」による会計への移行にあたっては,学校法人の将来の改善に重点
  を置く。
2 実施の時期と内容
 昭和47年度から「基準」を全面的に実施する。この場合において,昭和45年
度および昭和46年度については,各学校法人においてそれぞれ次の措置を講ず
るものとする。ただし,各学校法人は,それぞれの実情に応じて,これより早期
に「基準」による会計への全面的移行ができるよう努力することが望ましい。
(1)昭和45年度
  @ 「基準」による会計に移行するために必要な業務を行なう担当部門を,
   あらかじめ定める。
  A 「基準」の趣旨を,理事,教職員等閑係老に周知させる。
  B 会計担当者に、「基準」の実施に必要な知識、技能等を習得させる。
  C 昭和46年度予算のうち,資金収支に関する予算は,「基準」により編成
   する。
  D 経理に関する規定を,「基準」の趣旨に即して,改正または制定するよ
   う努力する。
〈2)昭和46年度
  @ 資金収支計算は,「基準」によって行なう。
  A 昭和46年度中の適当な日(この日を「基準日」という。)を選び,同日現
   在における財産日録を作成する。(資産の評価については,3および4参
   照)

  B 昭和46年度末貸借対照表は,(2)による財産目録に基づき,「基準」によ

   って作成する。
  C 昭和47年度の資金収支予算および消費収支予算は,「基準」により編成
   する。
3 資産の評価
 基準日現在の財産目録に記載する資産の評価は,次による。
(1)土 地
  @ 土地の評価は,取得価額による。
  A 昭和40年度以前に取得した土地の評価は,当該土地の隣接地の基準日現
   在の固定資産税課税標準額を基礎として評価した価額(当該土地に課税標
   準額の定めがある場合は当該課税標準額)または昭和27年度の資産再評価
   法によることができる。
  B 借地権については,有償取得の場合にかぎり前2項に準ずる。
〈2)償却資産
  @ 私立学校法の施行にともない,学校法人に組織変更した財団法人が変更
   前に取得した償却資産の評価は,変更の認可を申請した際の財産日録に記
   載された評価額による。
  A 上記法人が組織変更後に取得した償却資産の評価は,取得価額(取得価
   額が不明の場合はその推定額)による。
  B 私立学校法施行後に設立された学校法人が取得した資産は,取得価額
   (取得価額が不明の場合はその推定額)による。
  C @からBまでによる評価額を基礎とする未僕却残高によって償却資産の

   評価をすることができる。
(3)図書その他の資産の評価は,取得価額またはその推定額による。
4 基本金の決定
(1〉 「基準」のWの2の各項に該当する資産の昭和46年度末貸借対照表計上額
  相当額をもって,同日における基本金の要組入額とする。
(2〉 「運転資金の恒常的所要額」の計算は,既往1年間における支払資金の平
  均有高を基礎として行なう。
〈3)昭和46年度末貸借対照表における純資産額(消費収入超過額がある場合に
  は,その額を控除した残額とする。)と上記(1)による基本金の要組入額との差
  額は,基本金の末組入額とする。     
(付 記)
  私立学校法第59条第9項の規定に基づく監査は,次によって実施すること
 が適当である。
(1)昭和45年度の監査は,会計制度の整備および運用状況について行なう。こ
  の場合,監査人は経理に関する規程の整備に関する指導,助言を積極的に行
  なう必要がある。
(2)昭和46年度の監査は,資金収支計算の適否と会計制度の当否について行な
  う。
(3)昭和47年度以降の監査は,計算書類の全体について行なう。