私立大学医・歯学部における入学に関する寄附金の収受等
の禁止及び入学者選抜の公正確保等について(通知)
文管企第230号 昭和52年9月7日
文部省管理局長・大学局長通知

 私立大学医学部及び歯学部における入学時の寄附金募集の抑制につきましては,かねてから寄附金の納入を条件として入学許可を行うことのないよう要請してきたところであり,特に昭和49年1月17日付け文管振第51号「入学時の寄附金募集の抑制について」の通知により,私立大学の医学部又は歯学部を設置する学校法人理事長に対し,このことについて強く自粛自戒を要請したところであります。
 しかしながら,近時,私立大学の医学部又は歯学部の一部について,学生の入学時に入学許可の条件となっていると認められる高額の寄附金を徴収し,入学者選抜の公正を疑わしめるような事実が指摘され,このことが大きな社会問題となっていることは,既に御承知のとおりであります。
 ついては,かかる社会的不信を招くことのないよう,各大学におかれては,下記の事項に十分御留意の上,昭和53年度からの改善策を早急に策定し,管理運営の適正を期せられるよう強く要請します。
 おって,文部省としては,各大学の経営の健全性の確保等のため所要の配慮をしてまいる所存でありますが,補助金の交付等については法令の規定にのっとり一層厳正な態度で対処するものであることを申し添えます。  


     記

1 入学に関する寄附金の収受等の禁止

 学校法人及びその関係者は,当該学校法人が設置する私立大学の医学部又は歯学部への入学に関し,直接又は間接を問わず,寄附金を収受し,又は寄附の募集若しくは約束を行わないこと。
 なお,入学に関する寄附金の収受等により入学者選抜の公正が害されたと認められるときは,当該学部について私立大学等経常費補助金を交付しない措置を講ずるものであること。

2 入学者選抜の公正確保

 入学者の決定については,関係法令等の規定に基づき適正な手続により厳正に行うとともに,医学・歯学教育を受けるにふさわしい能力,適性等を備えた者を公正かつ妥当な方法により選抜し得るよう選抜方法の改善に努め,入学者選抜の公正確保を期すること。

3 経営の健全化等

(1)各大学は,附属病院を含め,過大と認められる施設・設備の設置の抑制,経営の効率化等による運営に要する経費の節減,自主努力による収入の増加等に努め,経営の健全化を図ること。
(2)経常的経費については,原則として自主努力による収入,学生納付金,経常費補助金によるものとすること。
 また,施設の拡充又は大型設備の整備に要する経費については,長期資金計画の下に任意の寄付金,学校債,日本私学振興財団等からの長期借入金等によって調達することとし,学生に一時的な高額な負担を負わせないようにすること。

4 経理の適正処理と財務状況の明示

 各大学は,内部監査機能の強化などにより経理の適正を期するとともに,必要に応じて財務状況を関係者に明示すること。

5 学生納付金に関する措置

(1)学生納付金については,徴収の必要性を明確にするとともに,その額の抑制に努めること。
 また,学生納付金については,すべて募集要項等においてあらかじめ明示すること。
(2)各大学は,学生の負担軽減を図るため,学生納付金の分割納入を進めるとともに,私立大学奨学事業援助制度の活用等による奨学事業を実施するほか,特に必要のある一部学生に対する学生納付金の減免その他の措置を積極的に講ずること。

6 任意の寄付金の取扱い

 入学許可後に学生又はその関係者から任意の寄付金を募集する場合は,その寄付が任意であること,使途,募集目標額その他必要事項をあらかじめ明示するとともに,その額の抑制に努め,また大学の教育研究に直接必要な経費に充てるものについては,後援会等によらず,すべて学校法人の経理で処理すること。