学校法人会計基準の制定と適用

学校法人会計基準の制定と適用について、次に法令規程を順に追ってみる。

日本私学振興財団法(昭和45年5月18日法律第69号)(抄)
附  則

(私立学校法の一部改正)
第13条 私立学校法の一部を次のように改正する。

 第59条第1項中「及び地方財政法(昭和23年法律第109号)第8条第1項」を「並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条及び第237条から第238条の5まで」に改め、同条第6項中「第3項」を「第4項」に、「第4項」を「第5項」に改め、同項を同条第7項とし、同項を同条第7項とし、同条に次の4項を加える。

8 私立学校法の経常的経費に対する国又は地方公共団体の補助金で政令で定めるものの交付を受ける学校法人は、文部大臣の定める基準に従い、会計処理を行ない、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。

9 前項に規定する学校法人は、所轄庁の定めるところにより、同項の書類のほか収支予算書を所轄庁に届けなければならない。この場合において、同項の書類については、所轄庁の指定する事項に関する公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければならない。

10 所轄庁は、第4項の規定によるもののほか、第8項に規定する学校法人に対して、次の権限を有する。
     ……編者注:以下本項 略……

11   ……編者注:以下本項 略……



(私立学校法の一部改正に伴う経過措置)
第14条 改正後の私立学校法第59条第8項の規定は,昭和46年度以後において政令で定める会計年度から適用する。ただし,政令で定める学校法人に対する同項の規定の適用は,別に政令で定める会計年度までは,所轄庁の定めるところによる。

2 前項の規定により改正後の私立学校法第59条第8項の規定の適用がない会計年度については,同条第9項中「同項の書類」とあるのは,「貸借対照表及び収支計算書」として,同項の規定を適用する。

3 政令で定める学校法人に対する改正後の私立学校法第59条第9項後段の規定の適用は、同項後段及び前項の規定にかかわらず、当分の間、所轄庁の定めるところによる。






 
 昭和45年度予算で新たに私立大学等の経常的経費に対する補助が始められることとなり、この交付業務は、個々の私学の実情を的確に把握しながら実施することが求められた。この交付業務を担う団体として、本法で、従来から私学援助を実施してきた私立学校振興会を特殊法人日本私学振興事業団と衣替えした。
 なお、本法の制定に当たり、上記のように補助金の交付を受ける学校法人について、私立学校法の改正が行われ、学校法人会計基準が誕生する。
 
 
    日本私学振興財団法附則第14条第1項に規定する会計年度について。









 
日本私学振興財団法附則第14条第1項に規定する会計年度等を定める政令(昭和46年政令第45号)

第1条 日本私学振興財団法附則第14条第1項本文の政令で定める会計年度は,昭和46年度とする。
第2条 日本私学振興財団法附則第14条第1項ただし書の政令で定める学校法人は都道府県知事を所轄庁とする学校法人とし,同項ただし書の政令で定める会計年度は昭和47年度とする。
 附 _則
この政令は,公布の日から施行する。
 
 
日本私学振興財団法附則第13条により改正された私立学校法について、次に再掲する。
 
私立学校法
(助成)
第59条 
     ……編者注:第1項から第7項まで 略……
8 私立学校法の経常的経費に対する国又は地方公共団体の補助金で政令で定めるものの交付を受ける学校法人は、文部大臣の定める基準に従い、会計処理を行ない、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。

9 前項に規定する学校法人は、所轄庁の定めるところにより、同項の書類のほか収支予算書を所轄庁に届けなければならない。この場合において、同項の書類については、所轄庁の指定する事項に関する公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければならない。
     ……編者注:以下の項 略……

 
 この私立学校法第59条は、昭和50年の私立学校振興助成法の制定(昭和50年7月11日法律第61号)により現在のようなシンプルなものに変わっている。
 
 
学校法人会計基準  昭和46年4月1日文部省令第18号


 

 
 
 
 
 
 私立学校法第59条第8項の政令で定める補助金について。
 日本私学振興財団法附則第14条第3項の政令で定める学校法人について。
私立学校法施行令(昭和25年政令第31号)(抄)

(経常的経費に対する国又は地方公共団体の補助金の種類)
第5条 法第59条第8項の政令で定める国又は地方公共団体の補助金は,校長及び教員の給与に要する経費又はこれを含む経常的経費に対する補助金で文部省令又は当該地方公共団体の規則で定めるものとする。

附  則
11 日本私学振興財団法(昭和45年法律第69号)附則第14条第3項の政令で定める学校法人は,都道府県知事を所轄庁とする学校法人とする。
 
 
 私立学校法施行令第5条の文部省令で定める国の補助金について。
 私立学校法第59条第8項の所轄庁で定めるところについて。…文部省の所轄について
私立学校法施行規則

(経常的経費に対する国の補助金の種類)
第7条の2 私立学校法施行令(昭和25年政令第31号。以下「令」という。)第5条の文部省令で定める国の補助金は,私立大学等経常費補助金及び特殊教育設備整備費等補助金のうち私立特殊教育学校教育費補助に係るものとする。

第7条の3 法第59条第8項に規定する学校法人で文部大臣の所轄に属するものは,毎年度当該年度に係る収支予算書を当該年度の6月30日までに,同項に規定する書類を当該年度の翌年度の6月30日までに,それぞれ文部大臣に届け出なければならない。

2 前項の学校法人は,同項の収支予算書に係る収支予算を変更したときは,変更後の収支予算書をすみやかに文部大臣に届け出なければならない。

附  則(昭和45年文部省令第25号)
2 昭和45年度においては,改正後の第7条の3第1項中「当該年度の6月30日」とあるのは,「昭和46年1月31日」と読み替えるものとする。
 
 
 以下は、沖縄の復帰に伴う定めである。
沖縄の復帰に伴う文郡省関係法令の適用の特別措置等に関する政令(昭和47年政令第106号)(抄)

(私立学校法第59条第8項の規定を適用する会計年度に関する特例)
第30条 沖縄県に主たる事務所が所在する学校法人については,私立学校法第59条第8項の規定は,日本私学振興財団法(昭和45年法律第69号)附則第14条第1項の規定にかかわらず,文部大臣を所轄庁とするものについてほ昭和48年度から,沖縄県知事を所轄庁とするものについては昭和50年度から,それぞれ適用する。

2 前項の規定より私立学校法第59条第8項の規定の適用がない会計年度については,同条第9項中「同項の書類」とあるのは,「貸借対照表及び収支計算書」として,同項の規定を適用する。



沖縄の復帰に伴う文部省関係省令の適用の特別措置等に関する省令(昭和47年文部省令第28号)(抄)

(学校法人会計基準の適用に関する経過措置)
第21条 沖縄県に主たる事務所が所在する学校法人で文部大臣を所轄庁とするものに係る学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)附則第2項ただし書の規定の適用については,同項ただし書中「昭和47年度」とあるのは,「昭和49年度」とする。

(文部大臣所轄の学校法人に係る収支予算書の届出期限に関する経過措置)
第22条 沖縄県に主たる事務所が所在する学校法人で文部大臣を所轄庁とするものに係る私立学校法施行規則(昭和25年文部省令第12号)第7条の3第1項の規定の適用については,昭和47年度に限り,同項中「当該年度の6月30日」とあるのは,「当該年度の7月31日」とする。
 
 
 
 
 
日本私学振興財団法附則第14条第1項に規定する会計年度等を定める政令および
学校法人会計基準の制定について(通知)
昭和46年5月10日文管振第69号
各都道府県知事宛             各学校法人理事長宛通知はこちら
文部省管理局長通知

 このたび,標記の政令が昭和46年3月29日政令第45号として公布施行され、これに伴い私立学校法施行令(昭和25年政令第31号)第5条に規定する経常的経費に対する国または地方公共団体の補助金の交付を受ける学校法人で都道府県知事を所轄庁とするもの(以下「知事所轄学校法人」という。)は,昭和48年度から,私立学校法(昭和24年法律第270号)第59条第8項の規定により,文部大臣の定める基準に従って会計処理を行ない,計算書類を作成しなければならないこととされました(同政令第2条)。

 なお,日本私学振興財団法附則第14条第1項ただし書の規定により、所轄庁である都道府県知事がとくに必要と認める場合に,昭和47年度以前に私立学校法第59条第8項を適用する定めをすることができますが,この場合先に昭和45年9月14日付文管振第145号で通達したとおり,事前に文部省にご連絡願います。

 また,上記の文部大臣の定める基準として,学校法人会計基準が昭和46年4月1日文部省令第18号として公布され,即日施行されました。この省令の施行に伴い留意すべき事項は,下記のとおりでありますので,貴所轄の学校法人に対しその会計処理および計算書類の作成について遺漏のないようじゅうぶんなご指導方お願いします。

                  記

1 第1章(総則)について

 1 この省令は,特殊教育設備整備費等補助金のうち私立特殊教育学校教育費補助にかかるものまたは校長および教員の給与に要する経費もしくはこれを含む経常的経費に対する地方公共団体の補助金で当該地方公共団体の規則で定めるものの交付を受ける知事所轄学校法人に適用されるものであるが,これらの補助金の交付を受けない知事所轄学校法人においても,学校法人の経理の合理化および適正化の確保を図るという観点からこの省令に定めるところに従った会計処理および計算書頸の作成にじゅうぶん習熟するよう努めることが望ましいこと。(第1条第1項関係)

 2 この省令に定めのない事項については,一般に公正妥当と認められる学校法人会計の原則に従うものとされているが,これについては,文部省において,学識経験者等に委嘱して行なった調査研究の結果についての次の報告の内容等を参照されたいこと。(第1条第2項関係)
 〈1)学校法人会計基準(昭和45年5月2日報告)
 (2)学校法人会計基準の実施について(昭和45年12月1日報告)
 (3)学校法人計算書類記載要領(昭和46年2月25日報告)
 〈4)知事所轄学校法人における学校法人会計基準の実施について(昭和46年2月25日報告)

 3 私立学校法第26条第3項の規定により私立学校の経営に関する会計から区分して経理される収益事業会計には企業会計原則その他一般に公正妥当と認められる企業会計の原則が適用されること。なお,収益事業会計に関する計算書類も私立学校法第59条第9項の規定に基づき都道府県知事に届け出るべき計算書類であること。(第3条関係)

 4 学校法人が作成しなければならない計算書類は,資金収支計算書とその内訳表,消費収支計算書とその内訳表および貸借対照表とその明細表とされたこと。したがって,学校法人は,これらの計算書類を作成し,上記の収益事業会計に関する計算書類とともに,私立学校法第59条第9項の規定に基づき都道府県知事が定めるところに従って都道府県知事に届け出なければならないこと。 (第4条関係)
 昭和45年度および私立学校法第59条第9項の規定の適用のない会計年度の計算書類としては,従来の貸借対照表および収支計算書を,また,同項の規定が初めて適用される会計年度の計算書類としては,この省令に基づく資金収支計算書とその内訳表および従来の貸借対照表を,それぞれ作成し,都道府県知事に届け出ることとなること。(附則第2項参照)

 5 計算書類に記載する金額は,総額をもって表示すること。ただし,預り金受入収入と預り金支払支出のように経過的な収入と支出および食堂,売店,寄宿舎のような教育活動に付随する活動にかかる収入と支出については,収入総額と支出総額の差額をもって表示することができること。この場合において,支出科目については適当な小科目または中科目を設けて記載すること。(第5条関係)


U 第2章(資金収支計算及び資金収支計算書)について

 1 本章は私立学校法第59条第8項の規定が初めて適用される会計年度から運用されること。(附則第1項,第2項参照)

 2 資金収支計算書は,収益事業会計以外のすべての活動に関する資金の収入支出の状況を表示するものであり,特定の収入支出について別会計で経理している等の理由でこれを資金収支計算書の記載から除いてはならないこと。(第6条関係)

 3 資金収支計算書は,別表第1に掲げる科目を用いて第1号様式に従って作成するものであること。(第9条〜第12条関係)
 @ 別表第1に掲げる小科目については,主要な科目を掲げたものであり,これらの科目に含まれないものについては適当な形態分類に基づく科目を追加して記載するものとすること。この場合において,形態分類によることが困難であり,かつ,金額がきん少な支出については,形態分類によらない科目で表示することができること。(別表第1(注)1および2関係)
 A 小科目は適当に細分することができること。(別表第1(注)1関係)
 B 適当な中科目を設定することができること。この場合において,当該中科目には、別表第1に掲げる小科目および上記@に従って追加した小科目による内訳を示すこと。(別表第1(注)3関係)
 C 知事所轄学校法人にあっては,経費支出の教育研究用と管理用との区分および,機器備品支出の教育研究用とその他との区分をしなくともよいこと。(別表第1(注)4,5関係)
 D 第1号様式に掲げる科目に記載すべき金額がない場合には,その科目の記載を省略すること。(第1号様式(注)1関係)
 E 予備費は,決算欄には計上されないが,予算欄に計上される金額は予算で定まった予備費の額のうちの未使用額であること(使用額は同じ欄の上部に(  )書で記載すること。)。(  )書で記載された予備費の使用額は該当科目の予算欄の額に振替えて記載し,振替科目およびその金額を適当な方法で注記すること。(第1号様式(注)3関係)
 F 資金収入調整勘定および,資金支出調整勘定には,当年度の未収金,未払金等をその金額にマイナスの印を付して記載すること。(第11条関係)
 G 前年度繰越支払資金の金額は,前年度末の貸借対照表に計上されている現金預金の金額と一致し,次年度繰越支払資金の金額は当年度末の貸借対照表に計上されている現金預金の金額と一致すること。
 H 収入の部の合計額と支出の部の合計額は一致すること。

 4 資金収支計算を行なうため必要な勘定科目は,上記3の趣旨に即して設定すること。(第8条関係)

 5 資金収支内訳表は,資金収支計算書に記載された決算の額を各部門ごとに区分して表示するものであり,第2号様式に従って作成すること。この場合において,いずれの部門に属するか明らかでない収入支出は,教員数,在学者数,または教室の床面積の比率その他の適当な要素を勘案して,合理的に各部門に配付すること。(第13条,第2号様式(注)4関係)

 6 人件費支出内訳表は,資金収支計算書に記載される人件費支出の決算の額の内訳を各部門ごとに区分して表示するものであり,第3号様式に従って作成すること。この場合において,いずれの部門に属するか明らかでない人件費支出は,教員数,職員数,在学者数の比率その他の適当な要素を勘案して,合理的に各部門に配付すること。(第14条第3号様式(注)2関係)

V 第3章(消費収支計算及び消費収支計算書)について

 1 私立学校法第59条第8項の規定が初めて適用される会計年度においては,この章の規定によらないことができること。すなわち,消費収支計算書を作成せず,または従来学校法人において作成している例によって消費収支計算書を作成することができること。(附則第2項参照)

 2 消費収支計算書は,収益事業会計以外のすべての活動にかかる消費収支計算の結果を表示するものであり,特定の消費収入消費支出について別会計で経理している等の理由でこれを消費収支計算書の記載から除いてはならないこと。第16条,第17条関係)

 3 消費収支計算書は別表第2に掲げる科目を用いて第4号様式に従って作成すること。この場合において,小科目の追加および細分,中科目の設定,科目の省略、予備費の記載方法ならびに経費の区分の特例については,資金収支計算書と同様の取扱いとすること。(第18条〜第23条,別表第2(注)1,2,3および4,第4号様式(注)1関係;上記T第2章(資金収支計算および資金収支計算書)についての3の@〜E参照)

 4 消費収支計算を行なうため必要な勘定科目は,上記3の趣旨に沿って設定すること。(第17条関係)

 5 消費収入は,帰属収入から基本金組入額を控除して算定するが,その表示は,帰属収入の合計額から基本金組入額の合計額を控除する形式によること。
 この場合において,さらに,基本金組入額合計の金額の内訳の金額を帰属収入の科目ごとに控除する形式であわせて示すことができること。(第16条第1項,第18条第2項,第4号様式(注)3関係)

 6 消費収支計算における消費収入または消費支出の超過額は,当年度消費収入超過額または当年度消費支出超過額とし,前年度繰越消費収入超過額等を加減して翌年度に繰越するものとすること。(第20条〜第22条関係)

 7 消費支出準備金の留保は,翌年度に消費支出超過額を繰り越すこととならない場合に限り,その範囲内で行なうことができること。準備金を充当する年度を明確にするとともに名称も充当する年度を冠したものとすること。(第21条第1項第3号,同条第2項関係;別表第3,第6号様式参照)

 8 消費収支内訳表は,消費収支計算書に記載された消費収入消費支出の決算の額を各部門ごとに区分して表示するものであり,第5号様式に従って作成すること。この場合において,いずれの部門に属するか明らかでない消費収入消費支出の各部門への配付については,資金収支内訳表の場合と同様に取り扱うこと。(第24条,第5号様式(注)4関係;上記T第2章(資金収支計算および資金収支計算書)についての5参照)
                          
W 第4章(貸借対照表)について

 1 私立学校法第59条第8項の規定が初めて適用される会計年度においては,この章の規定によらないことができること。従って,従来の例によって貸借対照表を作成することができること。(附則第2項参照)しかし,この章の規定が初めて適用される会計年度(私立学校法第59条第8項の規定が初めて適用される会計年度の翌年度)の貸借対照表について適正を期するためには,その前提としてその前年度の貸借対照表がそれを可能にする程度に整備されていることが必要であるので,私立学校法第59条第8項の規定が初めて適用される会計年度の貸借対照表は,前記「知事所轄学校法人における学校法人会計基準の実施について(昭和46年2月25日報告)」で援用している前記「学校法人会計基準の実施について(昭和45年12月1日報告)」の趣旨および内容に即したものであることが必要であること。

 2 第1節(資産)について
 (1)資産の評価は,取得価額をもってすることを原則とするが,この省令が初めて適用される会計年度の末日に有している資産の評価については,前記「学校法人会計基準の実施について」の報告の「3資産の評価」の趣旨により評価することができること。(第25条関係;附則第3項参照)

 (2)減価償却の方法は,定額法としたが,この省令が初めて適用される年度の末日に保有している減価償却資産で既に定率法で減価銘却を実施しているものについては,その資産に限り償却が終わるまでの問は定率法によって償却することができること。(第26条関係;附則第3項参照)

 (3)金銭債権については,その徴収不能の見込額を徴収不能引当金に繰り入れること。(第28条関係)

 3 第2節(基本金)について
 (1)この省令における基本金とは,帰属収入のうちから既に基本金に組み入れた金額をいい,第30条第1項の規定により基本金に組み入れるべきもののうち同条第2項の規定により未だ基本金に組み入れていないもの(以下「基本金未組入額」という。)があるときは,当該基本金未組入額は,これを基本金としないこと。(第29条,第30条関係)

 (2〉 第30条第1項第1号および第2号に掲げる金額については,当該各号に掲げる資産の取得の財源の全部または一部が借入金である場合等においては,基本金への組入れを繰り延べて翌会計年度以後において行なうことができること。(第30条第2項関係)

 (3〉 基本金の取崩しは,設置する学校の廃止等学校法人の活動の全部または一部を廃止した場合にのみ行なうことができること。この場合において,取崩額は,廃止した諸活動に係る基本金の額をこえてはならないこと。(第31条関係)

 4 第3節(貸借対照表の記載方法等)について
 (1)貸借対照表は,別表第3に掲げる科目を用いて作成すること。この場合において,別表第3に掲げる小科目についてほ,適当な科目を追加し,または細分することができること。(第33条,別表第3(注)1関係)

 〈2)知事所轄学校法人にあっては,機器備品を教育研究用とその他に区分しないことができること。(別表第3(注)3関係)

 〈3)貸借対照表の様式は,第6号様式のとおりであること。第6号様式に掲げる科目に記載すべき金額がない場合は,その科目を省略すること。(第32条,第35条,第6号様式(注)1関係)

 〈4)次のものについては,貸借対照表に脚注すること。(第34条,第6号様式関係)
 @ 減価償却額の累計額の合計額(第34条第1項関係)
 A 徴収不能引当金の合計額(第34条第2項関係)
 B 担保に供されている資産の種類および額(第34条第3項関係)
 C 基本金未組入額(第34条第4項関係)

 (5)貸借対照表に附属する明細蓑として,固定資産明細表,借入金明細表および基本金明細表を作成すること。基本金明細衰は当該会計年度において行なわれた基本金への組入れまたは基本金の取崩しの原因となった事実を明確に表示し,また,基本金未組入額については,その金額を事項ごとに摘要の欄に記載すること。(第36条,第9号様式(注)1および3関係)

X 第5章(知事所轄学校法人に関する特例)について

 1 知事所轄学校法人で高等学校を設置しないものは,徴収不能引当てを行なわないことができること。(第37条関係;第28条参照)

 2 知事所轄学校法人で高等学校を設置しないものは,運転資金の恒常的所要額を算定しその金額に相当する金額を基本金に組み入れることを行なわないことができること。(第38条第1項関係;第30条第1項第4号参照)

 3 知事所轄学校法人で高等学校を設置しないものは,基本金組入れの事由となる固定資産の取得の財源の全部または一部が借入金である場合でも当該固定資産の取得に要した金額をその取得の年度に全額基本金に組み入れることを条件に,基本金明細表の作成を省略することができること。(第38条第2項第3項関係;第30条第2項参照)

Y 施行について

 この省令は,公布の日(昭和46年4月1日)から施行することとされていること。従って,標記政令により,この省令に従った会計処理および計算書類の作成を全面的に実施するのは,昭和49年度からであり,昭和48年度においては,この基準に従って行なわなけれはならないのは,資金収支計算および資金収支計算書の作成のみとされていること。この場合において,資金収支計算書の作成には,当然資金収支内訳表および人件費支出内訳表の作成も含まれているので,都道府県知事に届け出る昭和48年度の計算書類には,これらの内訳表が含まれること。
(附則第1項および第2項関係)

 なお,日本私学振興財団法附則第14条第1項ただし書の規定に基づき,私立学校法第59条第9項の規定の適用について都道府県知事において別段の定めをされ昭和47年度以前にこの省令が適用されることとなる場合においても,また,昭和49年度以後の会計年度において初めて経常費補助金の交付を受ける学校法人についても,上記と同様の段階的実施の規定が適用されること。