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文部科学省

17高私参第1号
平成17年5月13日

文部科学大臣所轄各学校法人理事長 殿
各都道府県知事

文部科学省高等教育局私学部参事官
佐野 太

学校法人会計基準の一部改正に伴う計算書類の作成について(通知)

 「学校法人会計基準の一部を改正する省令」の施行については、平成17年5月13日付け17文科高第122号により、その趣旨、概要及び留意すべき事項について通知したところですが、改正後の計算書類の作成については下記のとおりですので、十分御了知の上、適切な会計処理をお願いします。
 また、各都道府県知事におかれては、所轄の学校法人及び私立学校法第64条第4項の法人に対して周知を図るとともに、指導に当たっては、各学校法人の設置する学校の種類や規模等に応じ、十分に配慮されるようお願いします。

1  基本金の取崩し要件の見直し(第31条関係)
(1)  基本金の組入額及び取崩額の計算は、第30条第1項各号の基本金毎に、組入れの対象となる金額が取崩しの対象となる金額を超える場合には、その超える金額を基本金の組入額として取り扱うものとし、また、取崩しの対象となる金額が組入れの対象となる金額を超える場合には、その超える金額を基本金の取崩額として取り扱うものとすること。ただし、固定資産を取得するために、第2号基本金を第1号基本金に振り替える場合には、この計算に含めないこと。
(2)  平成17年4月1日現在有している基本金の繰延額は、学校法人がその諸活動の計画に基づき必要な資産を継続的に保持するために維持すべきものを除き、平成17年度決算の基本金取崩しの対象とすること。
(3)  基本金明細表(様式第9号)の記載方法については、別添1(PDF:52KB)「基本金明細表の記載例」を参考にされたいこと。

2  計算書類の末尾に記載する注記事項の追加(第34条関係)
(1)  重要な会計方針には、徴収不能引当金及び退職給与引当金等の引当金の計上基準について必ず記載すること。
(2)  このほか、重要な会計方針には、1有価証券の評価基準及び評価方法、2たな卸資産の評価基準及び評価方法、3外貨建資産・負債等の本邦通貨への換算基準、4所有権移転外ファイナンス・リース取引の処理方法、5預り金その他経過項目に係る収支の表示方法、6食堂その他教育活動に付随する活動に係る収支の表示方法、等が考えられ、これらについて重要性があると認められる場合に記載すること。
(3)  重要な会計方針を変更した場合には、変更の旨、変更理由及び当該変更が計算書類に与える影響額を記載すること。
(4)  その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項としては、1有価証券の時価情報、2デリバティブ取引、3学校法人の出資による会社に係る事項、4主な外貨建資産・負債、5偶発債務、6所有権移転外ファイナンス・リース取引、7純額で表示した補助活動に係る収支、8関連当事者との取引、9後発事象、等が考えられ、これらについて重要性があると認められる場合に記載すること。
(5)  学校法人の出資による会社に係る事項の注記の取扱いについて
1  学校法人の出資による会社に係る事項については、学校法人の出資割合が2分の1以上の会社がある場合に、次の事項を記載すること。
 名称及び事業内容
 資本金又は出資金の額
 学校法人の出資金額等及び当該会社の総株式等に占める割合並びに当該株式等の入手日
 当期中に学校法人が当該会社から受け入れた配当及び寄附の金額並びにその他の取引の額
 当該会社の債務に係る保証債務
2  「学校法人の出資による会社の設立等に伴う財務計算に関する書類の作成について」(平成14年1月7日付け13高私参第1号文部科学省高等教育局私学部参事官通知)の1は、今後は本通知による取扱いとすること。
(6)  関連当事者との取引の取扱いについて
1  関連当事者とは、ア.関係法人、イ.当該学校法人と同一の関係法人をもつ法人、ウ.当該学校法人の役員及びその近親者(配偶者又は2親等以内の親族)又はこれらの者が支配している法人をいうこと。
2  関連当事者との取引の注記の対象となる関係法人とは、一定の人的関係、資金関係等を有する法人をいい、具体的には、ア.一方の法人の役員若しくは職員等が、他方の法人の意思決定に関する機関の構成員の過半数を占めていること、イ.法人の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資を行っていること、ウ.法人の意思決定に関する重要な契約等が存在することが該当すること。ただし、財務上又は事実上の関係から法人の意思決定に関し重要な影響を及ぼさないことが明らかな場合には対象外とすること。
3  特に、関連当事者との取引が無償の場合又は有償であっても時価に比して著しく低い金額等による場合には、原則として第三者間において通常の取引として行われる場合の金額等によって重要性を判断し、注記すること。
4  ただし、ア.一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当金の受取りその他取引の性格からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引、イ.役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い、ウ.当該学校法人に対する寄附金は、注記を要しないこと。
(7)  注記事項の記載方法については、別添2「注記事項記載例<例1><例2>」を参考にされたいこと。

3  その他
(1)  日本公認会計士協会が今回の改正に係る質疑応答に関する資料等を別途公表する予定であるので参照願いたいこと。
(2)  財務情報の公開に関して、必ずしも学校法人会計基準により作成された計算書類によるものではないが、学校法人が公共性の高い法人としての説明責任を果たし、関係者の理解と協力を一層得られるようにしていく観点から、一定の書類の関係者への閲覧が、私立学校法において義務付けられたところである。各学校法人におかれては、法律に規定する内容に加え、設置する学校の規模等、それぞれの実情に応じ、例えば、公開の方法として学内広報やインターネット等を活用することや、説明の方法としてグラフ・図表の活用や消費収支計算書における帰属収入から消費支出を差し引いた帰属収支差額(基本金組入前差額)を算出し説明することなど、様々な取組や工夫により、積極的な公開が期待されること。