平成17年5月13日
文部科学大臣所轄各学校法人理事長
各 都 道 府 県 知 事 殿
文部科学省高等教育局私学部長
金 森 越 哉
学校法人会計基準の一部改正について(通知)
このたび、別添のとおり「学校法人会計基準の一部を改正する省令」が、平成17年3
月31日文部科学省令第17号をもって公布され、平成17年度以後の会計年度に係る会計
処理及び計算書類の作成から適用されることになりました。
改正省令の趣旨、内容の概要及び施行に当たり留意すべき事項は下記のとおりですので、
事務処理上達漏のないようお取り計らい願います。
また、各都道府県知事におかれては、所轄の学校法人及び私立学校法第64条第4項の
法人に対して周知されるようお願いします。
記
第一 改正の趣旨
学校法人会計基準は、その制定以来今日までの施行を経て、現在では、私立学校振興
助成法第14条第1項に規定する基準として広くその定着を見ているところである。し
かしながら、少子化の進展など近年の社会経済情勢の変化に伴い、学校法人の諸活動に
おいて様々な見直しが行われ、その諸活動に見合った会計処理の合理化や、財政及び経
営状況の明確化が求められている。このため、これまでの運用の状況を踏まえ、基本金
の取崩し要件の見直し、及び計算書類の末尾に記載する注記事項の追加についての所要
の改正を行ったものである。
第二 改正の概要
1.基本金の取崩し要件について、経営の合理化、将来計画等の見直しを行った場合に
も取り崩すことができることとしたこと。(第31条関係)
2.計算書類の末尾に記載する注記事項について、重要な会計方針及びその変更等並び
にその他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項を記載することとし
たこと。(第34条関係)
3.上記1及び2の見直しに伴い、貸借対照表及び基本金明細表の様式の一部を改めた
こと。(第6号様式、第9号様式関係)
4. この省令は、平成17年4月1日から施行し、平成17年度以後の会計年度に係る
会計処理及び計算書類の作成について適用し、平成16年度以前の会計年度に係るも
のについては、なお従前の例によることとしたこと。(附則関係)
第三 留意事項
1.基本金の取崩し要件の見直し(第31条関係)
(1)今回の改正は、これまで、学校法人が設置する学校を運営していく上で、キャ
ンパス統合や、医療機器、パソコンなどの備品の保有形態の変更(購入から賃借
への切り替え)など、学校法人の資産の整理合理化が進められても、これらにつ
いては、「諸活動の一部又は全部の廃止」を伴わないため、基本金を取り崩すこ
とができなかったところであるが、学校法人を取り巻く状況の変化を踏まえ、こ
れを取り崩すことができることとしたものであること。すなわち、経営の合理化
により第1号基本金の対象固定資産の価額を維持する必要がなくなった場合や、
将来計画等の見直しなどにより施設整備計画を変更又は廃止したため第2号基本
金の金銭その他の資産を将来取得する固定資産の取得に充てる必要がなくなった
場合や、第3号基本金の金銭その他の資産を奨学事業等に充てる必要がなくなっ
た場合等にも基本金を取り崩すことができることとしたこと。
(2)基本金は、学校法人が、その諸活動の計画に基づき必要な資産を継続的に保持
するために維持しなければならない金額であるので、学校法人の定める適正な手
続きを踏まえ、その取崩しが安易に行われないようにする考え方については従来
と変わるものではないこと。
(3)基本金を取り崩す場合には、教育の質的水準の低下を招かないよう十分に留意
する必要があること。
(4)今回の改正は、学校法人が、経営の合理化、将来計画の見直し等により資産を
継続的に保持しないこととした場合には、当該基本金の取崩しができることとし
たほか、基本金の取崩し限度額を定めたものであること。
なお、第31条各号に該当する場合は、資産を他に転用するなどして継続的に
保持する場合のほかは基本金取崩しの対象としなければならないこと。
(5)第31条第1号の「諸活動の一部又は全部の廃止」とは、その設置する学部、
学科等の廃止、定員の減少等の学校規模の縮小や、奨学事業等の基金事業の縮小
又は廃止が該当するものであること。
(6)第31条第4号の「やむを得ない事由」とは、地方公共団体等による土地収用
の場合など、学校法人の自己都合による資産の処分ではなく外的要因によるもの
が該当するものであること。
(7)「『基本金設定の対象となる資産及び基本金の組入れについて(報告)』につい
て」(昭和49年2月14日付け文管振第62号文部省管理局長通知)の別添の
学校法人財務基準調査研究会報告書の3(2)イは、平成17年度以後の会計年
度に係る会計処理については適用されないこと。
2.計算書類の末尾に記載する注記事項の追加(第34条関係)
(1)今回の改正により新たに記載を要する重要な会計方針及びその変更等並びにそ
の他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項については、資産総
額若しくは帰属収入や消費支出又は消費収支差額などに照らして重要な影響を与
える場合やその事項に重要性がある場合に、財政及び経営の状況を正確に判断す
るために記載するものであること。
(2)従前の規定により記載を要することとされていた退職給与引当金の額の算定方
法については、今後、重要な会計方針として記載するものであること。
○文部科学省令第十七号
私立学校振興助成法 (昭和五十年法律第六十一号) 第十四条第一項の規定に基づき、
学校法人会計基準一部を改正する省令を次のように定める。
平成十七年三月三十一日
文部科学大臣 中山 成彬
学校法人会計基準の一部を改正する省令
学校法人会計基準 (昭和四十六年文部省令第十八号) の一部を次のように改正する。
第三十一条を次のように改める。
(基本金の取崩し)
第三十一条 学校法人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める額
の範囲内で基本金を取り崩すことができる。
一 その諸活動の一部又は全部を廃止した場合 その廃止した諸活動に係る基本金への
組入額
二 その経営の合理化により前条第一項第一号に規定する固定資産を有する必要がなく
なつた場合 その固定資産の価額
三 前条第一項第二号に規定する金銭その他の資産を将来取得する固定資産の取得に充
てる必要がなくなつた場合 その金銭その他の資産の額
四 その他やむを得ない事由がある場合 その事由に係る基本金への組入額
第三十四条の見出し中「減価償却資産」を「重要な会計方針」に改め、同条中第五項を
第六項とし、第四項を削り、第三項を第五項とし、第二項を第四項とし、同条第一項中「(注
記事項を計算書類の末尾に記載することをいう。以下この条において同じ。)」を削り、
同項を同条第三項とし、同条に第一項及び第二項として次の二項を加える。
引当金の計上基準その他の計算書類の作成に関する重要な会計方針については、当該
事項を脚注(注記事項を計算書類の末尾に記載することをいう。以下この条において同
じ。)として記載するものとする。
2 重要な会計方針を変更したときは、その旨、その理由及びその変更による増減額を脚
注として記戟するものとする。
第三十四条に次の一項を加える。
7 前各項に規定するもののほか、財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事
項については、当該事項を脚注として記載するものとする。
附 則
1 この省令は、平成十七年四月一日から施行する。
2 改正後の学校法人会計基準の規定は、平成十七年度以後の会計年度に係る会計処理及
び計算書類の作成について適用し、平成十六年度以前の会計年度に係るものについては、
なお従前の例による。