|
各私立大学長 大学を設置する各学校法人理事長 殿
14文科高第454号 平成14年10月1日
文部科学事務次官 小 野 元 之
私立大学における入学者選抜の公正確保等について(通知)
このことについては、かねてから入学に関する寄附金の収受の禁止等を中心に、その厳正公平な実施について各大学の留意を促してきたところでありますが、近時、一部の私立大学において入学者選抜の公正を疑わしめるような事態及びこれに関連して学校法人の経理の不適正処理等が発生し、大学に対する社会的な信頼を損なうような事態が生じたことは、極めて遺憾であります。 各大学及び各学校法人においては、これまでも入学者選抜の公正な実施等、適正な管理運営の確保に努力されてきたところであると存じますが、私立大学に負託された社会的責務の重大さに改めて思いを致し、今後、入学者選抜に関し一切の疑惑を招くことのないよう、下記の点に留意し、更に入学者選抜方法の改善及び経理の適正な処理に努めるとともに、入学者選抜の管理運営体制全般について十分に点検を行い、必要な点について早急に改善されるよう強く要請します。 文部科学省としては、各大学が健全な経営を進めることができるよう、支援措置の充実を図っているところでありますが、管理運営の不適正が認められる場合等には、私立大学等経常費補助金について私立学校振興助成法、私立大学等経常費補助金交付要綱及び取扱要領の規定にのっとり厳正な措置を講ずるものであることを申し添えます。 なお、昭和56年5月22日付け文大大第163号「大学入学者選抜の公正確保等について」及び昭和56年5月22日付け文大医第164号「私立大学医学部における入学者選抜の公正確保等について」は廃止し、今後は、本通知による取扱いとなりますので、遺漏のないようお願いいたします。
記
- 入学者選抜の公正確保
(1) 入学者の選抜に当たっては、合否判定等基本に係る部分について学長及び教授会が実質的に責任を果たし得る体制を確立し、関係法令等の規定に基づき適正な手続きにより厳正に行うとともに、これらに関する学内規程の整備を図ること。 (2) 大学教育を受けるにふさわしい能力、適性等を備えた者を公正かつ妥当な方法により選抜し得るよう、合否判定基準の明確化その他選抜方法の改善に努めること。 (3) 合格発表は、合否判定後速やかに行い、入試情報の漏えいを防止するなど、入学者選抜の適正な実施に努めること。 (4) 合格発表前に個別に保護者等関係者と接触するなど、いやしくも入学者選抜の公正確保に疑惑を招くような行為は厳に慎むこと。 (5) 繰り上げ合格者に係る合格発表方法及び入学手続期日等入学手続きに関する事項について、学生募集要項に記載するなどによりあらかじめ公表すること。
- 入学に関する寄附金、学校債の収受等の禁止
学校法人及びその関係者は、当該学校法人が設置する私立大学への入学に関し、直接又は間接を問わず、寄附金又は学校債を収受し、又はこれらの募集若しくは約束を行わないこと。 なお、入学に関する寄附金又は学校債の収受等により入学者選抜の公正が害されたと認められるときは、私立大学等経常費補助金を交付しない措置を講ずるものであること。
- 学生の負担軽減
(1) 学生納付金については、徴収の必要性を明確にするとともに、その額の抑制に努めること。 また、学生納付金については、すべて学生募集要項に明記すること。 (2) 学生の負担軽減を図るため、学校法人独自の奨学事業や学生納付金の減免又は分割納入等の措置を積極的に講ずるよう努めること。 また、これらの措置の具体的内容を学生募集要項に明確に記載すること。
- 経営の健全化等
(1) 経営の効率化等により運営に要する経費の節減に努めるとともに、適切な収入の確保等により収支の均衡を図り、経営の健全化に努めること。 (2) 多額な経費を必要とする施設の拡充又は設備の整備については、長期的な資金計画の下に行うこととし、学生に一時的な高額の負担を負わせないようにすること。
- 経理の適正処理と財務状況の公開
各学校法人は、その受け入れた寄附金等を学校法人会計の外で経理することなどのないよう、真実な内容をもれなく、明瞭に財務計算に関する書類に表示するとともに、内部監査機能を強化するなど経理の適正を期すること。 また、財務状況の公開に努めるとともに公開方法や公開内容についても改善を図ること。
- 任意の寄附金、学校債の取扱い
(1) 寄附金又は学校債の募集開始時期は入学後とし、それ以前にあっては募集の予告にとどめること。
なお、募集の開始前に応募の約束と受けとられるような行為をすることは厳に慎むこと。
(2) 寄附金又は学校債を募集する場合は、学生募集要項において、応募が任意であること、入学前の募集は行っていないことなどを明記し、適切な実施に努めること。 また、寄附金又は学校債の募集趣意書等において、応募が任意であること、その使途その他必要事項を明記すること。 (3) 入学者又はその保護者等関係者から寄附金又は学校債を募集する場合は、その額の抑制に努めること。 (4) 学校債については十分な返還の見通しをたてたうえで募集を行うものとし、学校債の引受者に対して寄附金への変換を引受け時に約束させ、又はその後においても特別の事由のある場合を除くほか変換を要請しないこと。 (5) 入学者又はその保護者等関係者から大学の教育研究に直接必要な経費に充てられるために寄附金又は学校債を募集する場合は、後援会等によらず、すべて学校法人が直接処理すること。
担当:高等教育局 電話:03-5253-4111(代表)
学生課 (内線2495) 私学部参事官(内線2540) 私学部私学助成課(内線2545)
|