学校債の発行について
  ○学校債の発行について
                (平成13年6月8日 13高私行第4号)
 文部科学大臣所轄各学校法人理事長あて
                 文科省高等教育局私学部私学行政課長
 標記のことについては、昭和29年10月13日付け文部省管理局振興課長通知並びに依頼により注意事項をお知らせしているところですが、このたび、学校法人の経営基盤の強化等に資する観点から、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(昭和29年法律第195号)(以下「出資法」という。)との関係に留意しつつ、改めて下記のとおり学校債発行上の注意事項を整理しましたので、参考までに通知します。
         記
1 学校法人による学校債の発行が、出資法に抵触する「出資金」又は「預り金」に該当することのないよう、学校債が資金を受け入れる学校法人の側の利便(例えば、施設整備事業や奨学事業など)のために発行される旨の募集目的と、学校債が消費貸借契約に基づく学校法人の「借入金」の性格を有するものである旨を募集要項等に明示し、募集対象者に周知すること。
2 上記1の取扱いによる場合には、学校債の募集対象を同意会会員やPTA会員等に限定する必要はなく、広く一般人を募集対象としても差し支えないこと。
 なお、この点で、昭和29年通知並びに依頼中四は変更するものであること。
 学校債の発行は、学校法人の経営基盤強化のために、必要に応じて活用が図られるべきものであるが、経営の健全性確保の観点から、学校債発行に当たっては、無理のない適切な償還計画を策定すること。



  ○出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(抄) 
     昭和29年6月23日 法律第195号
     [最終改正〕 平成15年法律136号

(出資金の受入の制限)
第一条 何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。
(預り金の禁止)
第二条 業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。
2 前項の「預り金」とは、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであつて、次に掲げるものをいう。
 一 頂金、貯金又は定期積金の受入れ
 二 社債、借入金その他何らの名義をもつてするを問わず、前号に掲げるものと同様の経済的性質を有するもの




 ○学校債について
(昭和29年10月13日 文部省管理局振興課長通知並びに依頼)
 学校債は、通常当該学校の卒業生及び父兄を対象とする限られた範囲において行われる単なる借入金であつて、従来格別の法的制限がなかつたのでありますが、此度「出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律」(昭和二九年法律第一九五号)(以下「法」という。)が施行(法第一条及び法第二条並びにそれらに関する罰則等は、昭和二九年八月一日より施行)せられましたので、学校債が、法第一条(出資金の受入の制限)及び法第二条(預り金の禁止)の規定に触れることのないよう、十分注意いたしたく、依つて参考までに、別記事項をお知らせします。
 なお、貴県所轄の各学校法人等に対し、しかるべく注意を喚起するようお願いします。
      記
1、学校債が、出資の形式をとること−たとえば、学校施設等の建設整備等を行うために共同して金銭を払出して組合員となり、学校施設組合等を設立すること−は、好ましくない。(法第一条関係)
2、学校債が、その目的、募集対象等を明示して借入金として起される場合には、さしつかえない。(法第一条及び法第二条関係)









 
(理由)
 法第二条にいう「預り金」は預け入れる者の利益のために行われるものであり、「借入金」は、借り入れる者の利益のために行われるものであつて、金利は前者に低く、後者に高いのが通例である。
 従つて、学校債が、当該学校法人においてその設置する学校の施設等を建設整備するに必要な資金を得るために父兄等から借り入れるものであるときは、その経済的性質は、法第二条にいう「預り金」とはならない。又、前記学校施設組合においても、共同して金銭を拠出して、組合員となるのではなく、当該組合の目的とする学校の施設整備を行うために、当該組合が、父兄等から金銭を借り入れる場合であれば、前記学校債と同様、法第二条にいう「預り金」とはならない。
3、なお、法第二条の「業として」及び「不特定」について次のように考えられる。
(イ) 「業として」とほ反覆継続して、行われることを意味する。
  従つて学校債であつても、その発行が反覆継続して行われるときは、分割発行を含む、「業として」に該当する。
(ロ) 「不特定」とは個々の連がりのないことを意味する。従つて学校債の募集の範囲を同窓会会員、P、T、A会員等に限定しても、同窓会会員にあつては、同期に学校を卒業したという連がりに過ぎず、又P、T、A会員にあつては、その会員が当該学校に在学する生徒の父兄及び当該学校に在職する教員であるという連がりに過ぎないのであつて、やはり「不特定」に該当する。
4、学校債は、前記2によつて、借入金たる性格を明示することにより、法第一条及び法第二条に抵触しないことになり、前記3における「業として」及び「不特定」の問題は一応無関係と見されるが、その募集対象を明確にする意味で一般人でない同窓会会員、P、T、A会員等に限定することが好ましいと考えられる。