日本私立学校振興・共済事業団を通じた受配者指定寄付金制度の拡充について

文高行第360号 平成10年3月23日
文部大臣所轄学校法人理事長あて
文部省生渡学習局長 文部省高等教育局長通知

 このたび,平成10年度税制改正により,所得税法第78条第2項第2号及び法人税
法第37条第3項第2号の規定に基づき寄付金控除の対象となる寄付金を定めた大
蔵省告示(昭和40年4月〉第154条第2号の2により規定されている日本私立学
校振興・共済事業団を通じた受配者指定寄付金制度につき,対象となる事業に追
加がありました。
 従来は,@寄付講座等における教育研究の実施に伴う経費をまかなうことを目
的として設定される基金,A学費の貸与又は給付を目的として設定される基金,
B教育基金に直接必要な資金の交付を行うことを目的として設定される基金につ
いては,運用果実をもって事業の経費に充てる基金のみが対象とされていました。
今回の改正においては,これらの@,A,Bの基金につき,一定の期間に計画的に
事業の経費の支出に充て使用することができる基金(以下「取崩し型基金」とい
う。)についても対象とされることとなりました。
 また,敷地・校舎その他付属設備の取得に要した借入金の返済費用に充てる寄
付金については,従来は,学校教育法第
1条に規定する学校についてのみ対象と
なっていましたが,学校教育法第82条の
2に規定する専修学枚(以下「専修学枚」
という。)も対象とされることとなりま
した。
 その要件については,大蔵省との協議
の結果,下記のとおりとすることとなり
ました。

       記

1.従来の受配者指定寄付金制度の要件
のほか,以下の要件を満たすものにつ
いては,「取崩し型基金」として受配
者指定寄付金制度の対象とすること。

(1)寄付講座及び寄付研究部門におけ
 る教育研究の実施に伴う経費をまか
 なうことを目的として設定される
 「取崩し型基金」の要件
 @ 基金を計画的に使用する理由が
  あり,その使用の期間は3年以内
  であること。
 A 当該寄付講座等が特定の者に特
  別の利益をもたらすものではない
  こと。(ただし,寄付者名を付し
  た寄付講座は特定の者が特別の利
  益を受けるものには該当しない。)
 
 
 
 
 B 当該寄付講座等の担当教員が他
  の寄付講座の担当教員を兼ねてい
  ないこと。
 C 当該基金の経費の算定が適正に
  行われていると認められるもので
  あり,かつ当該寄付講座等におけ
  る教育研究を実施するに当たり直
  接必要な費用であること。(当該
  寄付講座等の教育研究の実施に直
  接要しない費用で学校法人会計基
  準にいう管理経費支出は該当しな
  い。)また,基金の使用状況等に
  つき毎年,決算後に私立学校振興・
  共済事業団に報告すること。
 D 寄付講座等終了後,寄付金によ
  り購入した施設設備は担当教員で
  はなく,学校法人の所有に属する
  ものとすること。
 E 仮に,当該基金の不正使用が認
  められた場合には,文部省が責任
  をもって対処するとともに,当該
  学部の当該基金に対する寄付金の
  募集は改善措置が講じられるまで
  は原則として認めないこととする
  こと。
 F 寄付金に剰余金が生じた場合,
  又は不正使用が認められた場合に
  使用されていない寄付金の残額が
  あった場合には,日本私立学校振
  興・共済事業団内にある学術研究
  振興基金に対して寄付するものと
  すること。

〈2)学校教育法第1条に規定する学校
及び専修学校〈学校法人(準学校法
人を含む。)が設置するもので,高
等課程〈授業時間数が2,000時間以
上のものに限る。)又は専門課程
(授業時間数が1,700時間以上のも
のに限る。)を置くもの。)において
学費の貸与又は給付を目的として設
定される「取崩し型基金」の要件
 @ 必要とする奨学生への学費の貸
  与又は給付が不足することなど,
  基金を使用する理由があること。
 A 仮に,当該基金の不正使用が認
  められた場合には,主務官庁たる
  文部省が責任をもって対処すると
  ともに,当該基金に対する寄付金
  の募集は改善措置が講じられるま
  では原則として認めないこととす
  ること。
 B 寄付金の不正使用が認められ,
  使用されていない寄付金の残額が
  あった場合には,日本私立学校振
  興・共済事業団内にある学術研究
  振興基金に対して寄付するものと
  すること。

(3) 教育研究に直接必要な資金の交付
 を行うことを目的として設定される
 「取崩し型基金」の要件
 @ 基金を計画的に使用する理由が
  あり,その使用の期間は3年以内
  であること。
 A 当該教育研究が特定の者に特別
  の利益をもたらすものではないこ
  と。
 B 当該教育研究の代表者が他の教
  育研究の代表者を兼ねていないこ
  と。
 C 当該基金の経費の算定が適正に
  行われていると認められるもので
  あり,かつ当該教育研究に直接必
 
 
 
 
  要な費用であること。(当該教育
  研究に直接要しない費用で学校法
  人会計基準にいう管理経費支出は
  該当しない。)また,基金の使用
  状況等につき毎年,決算後に私立
  学校振興・共済事業団に報告する
  こと。
 D 基金により得られた研究成果に
  ついては,学会等における発表を
  含め,適切な方法で公表すること。
 E 教育研究終了後,寄付金により
  購入した施設整備は,当該教育研
  究の代表者ではなく,学校法人の
  所有に属するものとすること。
 F 仮に,当該資金の不正使用が認
  められた場合には,文部省が責任
  をもって対処するとともに,当該
  学部の当該基金に対する寄付金の
  募集は改善措置が講じられるまで
  は原則として認めないこととする
  こと。
 H 寄付金に剰余金が生じた場合,
  又は不正使用が認められた場合に
  使用されていない寄付金の残額が
  あった場合には,日本私立学校衣
  興・共済事業団内にある学術研究
  振興基金に対して寄付するものと
  すること。
2.従来の受配者指定寄付金制度の要件
のほか,専修学校〈1(2)と同様。)が,
敷地,校舎その他付属設備の取得に要
した借入金の返済費用に充てる寄付金
を,次に掲げる機関が行っている融資
の返済費用に充てるため日本私立学校
振興・共済事業団を通じて募集する場
合には,受配者指定寄付金制度の対象
とすること。
(1)地方公共団体
(2)日本私立学校振興・共済事業団
(3)都道府県の私立学校の振興を目的
 とする公益法人
(4)上記(1)〜(3)以外の機関
 なお,この場合,当該機関が行っ
 ている融資の返済費用に充てるため
 の寄付金については,当該融資につ
 いて以下の要件を満たすこと。
 @ 融資を行う機関が都道府県の指
  定を受けているものであること。
 A 融資の申請受付及び審査が都道
  府県において行われるものである
  こと。又は,融資の申請が当該機
  関に対して行われる場合は,当該
  融資について,都道府県が融資の
  審査に実質的に関与していると認
  められるものであること。