授業料等の減免に関する会計処理及び監査上の取扱いについて |
| 学校法人委員会報告第30号……昭和58年3月28日 学校法人委員会Q&A第1号 |
| 1.会計処理 授業料等の減免を行った場合には、 減免額控除前の金額を授業料等に計上し、 減免額は奨学費又は人件費に計上する。 ※ 補助金による減免は、委員会報告第16号による。 |
|
| 2.監査上の取扱い 本取扱いにより会計処理及び表示について変更が行われた場合は、 正当な理由に基づく変更と認める。 |
| 編者注: ●教職員子弟に対する減免は、人件費処理である。 これは所得税法からみると、減免額を給与として捉えることになるので、その教職員に対する給与等として源泉徴収が必要となる。 |
|
| 編者注: ●監査上の取扱いは、本報告が示された当時の会計処理及び表示についての変更を正当な理由に基づく変更として認めたものであるので、現在では適用されない。 |
|
| 編者注: ●本報告の公表後、翌年度昭和59年に日本公認会計士協会から学校法人会計問答集(第1号)が公表されている。 この問答集は、平成9年に改訂されているが、これは次の理由によるものであり、実質的な変更はない。 学校法人委員会報告第36号「私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱いについて」(平成8年4月15日)により,「昭和53年度以降の私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱いについて」(昭和53年11月7日)が廃止され、本問答集にはこれを引用する部分が含まれていたため,該当する部分が変更された。 |
| 学校法人委員会報告第30号 |
| 学校法人委員会Q&A第1号……昭和59年1月26日 改訂……平成9年3月24日 |
| ●Q&A1 資金の収支がないのに、なぜ資金収支を認識するのか? | ||
| |
A 基準6条「当該会計年度の諸活動に対応する全ての収入及び支出の内容……を明らかにする」という資金収支計算書の目的の重要性にかんがみ、総額法を採用した。 | |
| ●Q&A2 報告16号では純額法、本報告では総額法。矛盾しないか? | ||
| A 第16号は地方公共団体の実施している学費負担軽減補助金に関連する取扱いである。 父兄の教育費負担を軽減する行政措置と本取扱い第30号の減免とは性格が異なるとともに、学費負担軽減補助金は、本来地方公共団体が父兄に直接助成するものを制度的及び事務的に困難なため、学校法人を通じて処理しているのである。 よって、第16号と第30号の処理は矛盾しない。 |
||
| 編者注: 回答は、上記のほかにも、 学費負担軽減補助金のかかる純額処理を、授業料収入が補助金収入に振り換えられたに過ぎず、学校法人の教育活動に対応する収入はもれなく表示されているとして、その正当性を主張している。 しかし、これは結論は正しいが論が逆である。 学費負担軽減補助金は、まさに学校に対する補助金である。 よって、これを「補助金収入」でなく、「授業料収入」で処理することはできない。 そしてさらに、行政は、その補助額に相当する授業料を減額することを要求しているのであるから、授業料の定価は改定されたのであって、減額改定後の授業料を「授業料収入」として計上するのが全く正しい処理である。純額処理と総額処理の問題ではない。 と考えないと、授業料収入の計上額が総額計上若しくは総額表示ではなくなり、こちらで基準違反となる。 |
||
| ●Q&A3 教職員の指定に対する減免に限られるか? | ||
| 報告30号は、減免対象者の限定をしていないので、教職員子弟のみに限らず学生一般にも適用される。 | ||
| 編者注: 教職員子弟の減免で福利厚生的な理由による減免は、「人件費支出」で処理する。 学生一般の減免は、「奨学費支出」で処理する。 教職員子弟の減免でも、学生一般と同一理由、例えば成績優秀等の理由による減免は、人件費支出でなく「奨学費支出」で処理する。 Q&A13参照。 |
||
| |
●Q&A4 減免額が少額の場合,純額表示は認められるか? | |
| 授業料等は学校法人における基本的な活動に基づく収入であるから,純額処理は認められない。 重要性の考え方は働かない。 |
||
| 編者注: 問答集では、純額処理は認められないとしているが、基準第5条から純額表示は認められないとするのが正当であろう。 結論は同じ。 |
||
| ●Q&A5 入学金にも総額法が適用されるか。 | ||
| 入学金は授業料と同様に学校法人における基本的な行為に伴う収入であるから,総額表示が求められる。 ただ、同一学校法人における他学部への学士入学や短大から大学への編入学に際しては、改めて入学金を徴収しない場合が多い。この場合には、すでに一度入学金を徴収しているところから再度、総額的に収支を認識する必要はない。 |
||
| 編者注: 同一学校法人における他学部への学士入学や短大から大学への編入学に際して、改めて入学金を徴収しないのは、そのような取り扱いでの定めを学則に持つからである。したがって、定価表が「0」で徴収しないのであるから、収入を認識しないのは当然である。 ということから、仮に学則では入学金の徴収を定めていて、それを何らかの理由で徴収しない場合には、収入を認識しなければ他の設問と整合化しない。 問答にあるように、すでに一度入学金を受けているということは収支を認識しない理由とはならない。 結論は同じ。 |
||
| ●Q&A6 休学者の授業料等を免除している場合は? | ||
| 休学者については、学校法人の諸活動との係わりがない。つまり、教育サービスの提供がないのであるから、不徴収部分について収支の計上を行うことは適当でない。 徴収した額は、授業料等、学生生徒等納付金収入に計上する。 |
||
| 編者注: 前問と同様に、学則に徴収が定められていて、それを何らかの理由で徴収しない場合には、収支を認識しなければ他の設問と整合化しない。 徴収しないのは、学則に徴収が定められていないからであって、その場合は、収支を認識しないのは当然である。 |
||
| ●Q&A7 技術優秀なスポーツ部員に対する授業料等の減免は? | ||
| 総額処理をし、支出科目は「奨学費支出」である。 | ||
| 編者注: |
||
| ●Q&A8 生活困窮を理由とする減免の場合の支出科目は「奨学費支出」か? | ||
| 支出科目は「奨学費支出」である。 | ||
| 編者注: |
||
| ●Q&A9 兄弟姉妹での修学を理由とする減免の場合の支出科目は「奨学費支出」か? | ||
| 支出科目は「奨学費支出」である。 | ||
| 編者注: |
||
| ●Q&A10 海外の提携校(姉妹校)からの交換学生の減免に係る処理方法は? | ||
| 総額処理をし、支出科目は「奨学費支出」である。 | ||
| 編者注: |
||
| ●Q&A11 元教職員の子弟の減免額の処理科目は? | ||
| 教職員の子弟ということでの減免は、委員会報告30号は給与として認識した。 この考え方の延長からすると、退職金の追加払いともみられるが、これを退職金とするとその発生が退職後の子弟の在籍と時の経過によるので、本来過去の勤務に対して確定する退職金とは相容れなくなる。 他方、子弟の在籍は一面において当該学校への修学を教職員に奨励する意味もあるので、減免額を「奨学費」とすることも認められる。 教職員が退職したことによって、減免の性格に転換が生じたと考える。 |
||
| 編者注: 減免額の給与認定は、もともと税務の給与認定から生じてきた問題である。 税務が退職後は給与として認定しない限り、「奨学費支出」は妥当であろう。 |
||
| ●Q&A12 教職員の子弟が姉妹校に入学し、減免を受けている場合は? | ||
| 総額処理をし、支出科目は「奨学費支出」である。 | ||
| 編者注: 妥当な処理である。 だが、最近のストックオプションの課税関係をみると検討ありかな、という感じもする。 |
||
| ●Q&A13 教職員の子弟で、かつ、成績優秀なため減免を受けた場合は? | ||
| 総額処理である。 支出科目は減免の理由による。 教職員の子弟であることが減免理由であれば、「人件費支出」であり、 成績優秀であることが減免理由であれば、「奨学費支出」である。 |
||
| 編者注: |
||
| ●Q&A14 人件費処理の場合、人件費のうちどの細分科目で計上か? | ||
| 「その他の手当」である。 | ||
| 編者注: |
||
| ●Q&A15 減免の会計処理を、純額法から総額法に変更した場合、脚注は? | ||
| その旨、重要な影響額があればその影響額を、計算書に脚注する。 | ||
| 編者注: 監査上の取扱いは、本報告が示された当時の会計処理及び表示についての変更を正当な理由に基づく変更を認めたものであるので、現在では適用されない。 したがって、このQ&Aの問答も、現在では適用されない。 |
||
| ●Q&A16 報告30号に従い、純額法から総額法に変更した場合、継続性を監査意見として捉えるのか? | ||
| 計算書類に脚注があれば、監査意見は特に記載を要しない。 | ||
| 編者注: 監査上の取扱いは、本報告が示された当時の会計処理及び表示についての変更を正当な理由に基づく変更を認めたものであるので、現在では適用されない。 したがって、このQ&Aの問答も、現在では適用されない。 |
||