学校法人会計問答集(Q&A)第5号     昭和60年7月15日 日本公認会計士協会
                           平成19年1月15日 一部改訂
 
 資金運用取引に関する会計処理について


 
学校経理の現場からすると、資金運用取引の計算書類での総額表示は予算管理 とはなじまない。そういった観点から資金運用取引を見るときに、それをどうするの かは難しい問題である。
 
平成19年1月15日付けの変更内容
昭和60年Q&Aの質問1が、資金運用取引のうち運用目的が特定されていないもの等、言うならば、貸借対照表で流動資産として表示されるものについては、脚注を付すという条件付で純額表示を認めていたが、平成19年Q&A-Q1は、基準第5条の原則通り、資金運用取引は純額表示であるとした。これに伴い昭和60年Q&A質問2は削除された。
ただし、短期資金の運用に日常的に用いられる運用取引についてはその実態を認めざるを得ないとして、支払資金内取引として認める従来の質問3・4の取扱いの趣旨はそのまま残り、昭和60年Q&AーQ2・Q3とされた。
 
Q1
資金運用取引の収支にかかる資金収支計算書における表示は、総額表示が原則である。
 
Q2
MMF(マネー・マネージメント・ファンド)・MRF(マネー・リザーブ・ファンド)・中期国債ファンド・利金ファンド・FFF(フリー・ファイナンシャル・ファンド)・CRF(キャッシュ・リザーブ・ファンド)などの金融商品で決済資金として使用されている場合は、支払資金の受入れ・払出しに準じて取り扱うことを認める。
すなわち、その仕訳は次のようになる。
(借)支払資金(MMF) ×××  (貸)支払資金(預金) ×××
ただし、会計年度末に受入れ・払出しで完結せず、残として残ったものは、これはやはり支払資金でないので、支払資金外の運用取引として認識する。すなわち、その仕訳を次のようにし、支払資金の残から有価証券の残とする。
(借)有価証券購入支出 ××× (貸)支払資金(MMF) ×××
 
Q3
質問2によって翌期に繰り越されたMMFなどは、翌期首には支払資金に振り戻す。
振り戻し仕訳は、次のようになる。
(借)支払資金(MMF) ×××  (貸)有価証券売却収入 ×××
この期首の振り戻し処理後、1年間の受入れ・払出し取引を実施した後、また、年度末に残が生じた場合は、質問2にあるようにやはり、支払資金から有価証券への残へ振り替える。この仕訳は、質問2の通りである。
(借)有価証券購入支出 ××× (貸)支払資金(MMF) ×××
なお、上記の二仕訳はみなす取引であるので、両方の仕訳が同年度中に起票された場合には、期末の両者の相殺仕訳をしなければならない。
(借)有価証券売却収入 ××× (貸)有価証券購入支出 ×××
 
 
 
 
昭和60年7月15日付けの内容
質問1
・ 資金運用取引の収支にかかる資金収支計算書における表示は、総額表示が原則である。
・ ただし、貸借対照表で流動資産として表示される−運用目的が特定されていないものは、資金収支計算書に取引総額の脚注を付す場合は、純額表示を認める。
 流動資産として表示されるとは、資金収支計算書が支払資金の取引計算書である(基準第6条)ことからすると、この取引は日常の財布のなかでの取引であるので純額表示は可。しかし、総額表示の原則があるので、取引総額の脚注記載を求めたということであろう。
 
 
質問2
・ 質問1で純額表示を認めたが、基準第5条(総額表示)からすると、おかしいのでは?
 この疑問に対して、回答はその通りと答える。
 まえがきに記した、学校会計が予算会計であるということの難しさもあるので、質問1の脚注記載で折り合いをとりたいという胸をうちを理解して貰いたいということであろうか。
 
 
質問3
・ 中期国債ファンド・現先については、支払資金の範疇で理解できないので、総額表示である。
 しかしながら、現先は別として、中期国債ファンドはいつでも引き出すことが出来るファンドであるので、学校現場では普通預金と同じような感覚で取り扱っている。ということからすると、支払資金の範疇に入れて純額表示が可でないか?だが、中期国債ファンドは公社債投資信託なので、どうしてもいつでも引き出すことが出来る「預貯金」の範疇に入りません。金融取引の実体と基準の定義とのすれ違い。
 
 
質問4
・ 質問3の答を聞いても、金融取引の実体からすると、どうしても納得できません。どうかなりませんか?
 ということで、期中完結型、すなわち、資金を預け入れ、そして同年度中に引き出したものは、支払資金のなかでの取引として預け入れと引き出しを純額で処理して結構です。しかし、預け入れのまま、期末を迎え翌年度に繰り越すのものは、支払資金から取り出して、支払資金外への運用取引として処理しなければならない。すなわち、総額表示となりますということである。