学校法人会計問答集(Q&A)第3号     昭和59年4月24日 日本公認会計士協会
学校法人会計問答集(Q&A)第4号     昭和59年6月20日 日本公認会計士協会
 
   人件費関係
 
           本Q&Aは、昭和55年文管企250号文部省通知の理解の一助として
           出されたものであろう。
 
第3号 質問1
 司書教諭に係る人件費は、教員人件費で処理する。
 司書教諭は、学校図書館法第5条で教諭をもって充てることとされているからである。
 
 
 
第3号 質問2
・高等学校で事務の仕事をしている者の人件費は、その者が教員免許を有していても、職員人件費で処理する。
 教員として任用されたか、職員として任用されたか、その任用により決定される。
・教員として任用された者が職員を兼務している場合の人件費は、その者の主たる職務がどちらかにより、その主たる職務と考えられる方の人件費として処理する。
 文部省通知は、発令基準で明らかに出来ない場合には、主たる勤務でといっていることからすると、教員として任用されたという形容詞句は余計か。
 
 
 
第3号 質問3
 実習助手の人件費は、職員人件費で処理する。
 実習助手は、学校教育法第50条第2項及び第3項により、実験又は実習について教員の職務を助ける者であるので、教員であることを要しない。学校基本調査でも職員に分類されている。
 ただし、都道府県によっては教員として扱っているところもあるので、所轄庁の指示に留意する。
 
 
 
 第3号 質問4
 研究員の人件費は、教授、助教授、講師、助手として研究所等に所属している場合は、教員人件費として処理し、単なる研究のみに従事している場合は、職員人件費で処理する。
 
 
 
第3号 質問5
 非常勤講師に支払った卒論の指導料は、人件費で処理する。手数料ではない。
 Q&Aでは雇用関係から生ずる役務の提供であるから人件費で処理するとなっているが、通常は雇用契約で指導されるということであろう。
 
 
 
 
第3号 質問6
 非常勤講師に支払う旅費は、通勤手当で処理する。
 通常の講義のために出講する旅費のことであろう。
 従って、学務、校務のための出張費は、旅費交通費で処理する。
 出張費は、その用務の内容によって、教育研究経費か管理経費に処理される。
 これは、専任者に対する出張費についても同様である。
 
 
 
第3号 質問7
 出向者である事務員の給与は、職員人件費で処理する。
 出向とは、出向元との身分はそのままであるが、同時に出向先とも雇用契約が結ばれる。よって、出向者に対する給与は、人件費処理である。
 
 
 
第3号 質問8
 常務理事と事務局長の兼務者に対する一括支給の給与は、事務局長の給与として妥当とされる額を職員人件費、残りを役員報酬で処理する。
 原則論からいうと、質問2で結論が出されたように、職務の内容によって、主たる職務と考えられる方に処理するべきであろう。だが、通常は事務局長職の職務遂行がないとは考えられないので、事務局長職の給与認定を先にしたのであろう。問題は、一括支給額を両者に分ける処理であるが、果たして文部省通知からして人件費の分割は可かということになるが、通知は役員報酬は法人本部の部門に処理するというのみで、教職員人件費との関係については触れていない。部門処理に敢えて通知が言及していることからすると、ここでの結論にあまり神経質になる必要がないかもしれない。
 
 
 
第3号 質問9
 役員に係る私学教職員共済組合掛金等の所定福利費は、人件費支出内訳表では主たる報酬と合算して「役員報酬支出」と表示する。
 役員報酬支出には、細分科目がないからである。
 
 
 
第3号 質問10
 役員の退職金支出は、人件費支出内訳表では「退職金支出」のうちの「職員」の次「役員」の細分科目を設けて記載する。
 質問9からすると、様式に細分科目がないので、ここでの回答には??が付く。
 しかし、退職金支出を通常の役員報酬に含めて表示していいのかというと、これにも大きな疑問がある。よって、委員会はここでの回答を敢えて用意したのであろう。
 
 
 
 第3号 質問11
補助活動事業に係る人件費は、人件費支出内訳表では記載される場合も記載されない場合もある。
 補助活動事業について純額で表示する方法を採用し、かつ、人件費をその収入と相殺した場合は人件費としての表示がないのであるから、人件費支出内訳表には記載されようがない。
 
 
 
 第3号 質問12
教職員の本務と兼務の区分は、その任用の態様による。
 
 
 
 第4号 質問1
 大学での教授発令があり、その傍ら高校の授業を一部分担しているよう場合は、発令基準で大学部門の人件費として処理する。
 しかし、大学部門の給与は大学で支給し、高校部門の給与は高校で支給している場合は、その実態に即して、大学と高校にそれぞれの支給額を計上する。
 文部省の通知は、発令がハッキリしている場合は発令基準で実体基準ではないとしている。とすると、上記の実態に即しての計上は妥当なのか。多分、それぞれの給与をそれぞれで支給しているということは、両者に教員としての発令があるということなのであろう。とすると、単純な発令基準では片が付かない。両者に発令があるのだから、両者に支給額を計上する。という論理構成であろうか。
 
 
 
 第4号 質問2
2つの部門で非常勤の講師をしている場合のその非常勤講師に対する支給額は、それぞれの部門の人件費として計上する。非常勤の場合は、常勤の場合と異なり、その契約内容が計上の基準である。
 したがって、その支給が一括支払いであっても、支給額の計算基礎がハッキリしている筈であるから、それぞれの部門に計上する。
 
 
 
 第4号 質問3
発令が大学である専任事務職員が、講師として短大で教えている場合は、両者に発令があるのであるから、それぞれの部門に給与額を計上する。
 しかし、短大に発令がない場合は、按分して短大部門に人件費を計上しない。
 
 
 
 第4号 質問4
 所定福利費については、按分計算による部門計上も可とする。
 本来は、一人ひとりの給与額を基礎に所定福利費は計算されるのであるから按分計算は、文部省の通知からは認められない。
 しかし、直接計算の事務処理の煩雑さ、および、直接計算の額と按分計算の額は大差ないのが通常であることを考えると、按分計算も可としたものである。
 
 
 
 第4号 質問5
 組織上法人本部を置いていない場合は、法人部門に人は発令されないのであるから、法人部門に人件費の計上はないようであるが、文部省の通知は法人部門の業務と特定して、これに従事する者の給与は法人部門に計上するとしている。したがって、組織上法人部門を置いていなくても、法人部門への人件費計上は必要である。
 
 
 
 第4号 質問6
 翌年度からの短大設置に当たっての短大関係支出は、法人部門に計上される。
 短大部門が部門として設定されるのは、短大の開設当初の日、すなわち、翌年度になるからである。部門設置は、認可の日ではない。