当期資金支出 ※当期資金支出=支出の部合計−次年度繰越支払資金
当期資金収入 当期資金収入=収入の部合計一前年度繰越支払資金
支出の部合計
収入の部合計−(借入金等収入一倍入金等返済支出)
借入金等返済支出
借入金等収入
借入金等返済支出十施設関係支出+設備関係支出
借入金等収入
〈2)消費収支計算書
ア 消費支出の部はともかくとして消費収入の部については,基本金組
入額との関係で消費収入の部合計を100(%)とする構成比率はやや比
較可能性に欠けるところがある。そこで,消費収支計算書については,
むしろ,帰属収入合計額を100〈%)とする比率をもって消費収支各科
目の構成比率を示すことが適当である。これらの構成比率は同時に帰
属収入合計額に対する消費収支計算書各科目の関係比率でもある。
例えば,次のようなものがあげられる。
学生生徒等納付金 補助金 基本金組入額
帰属収入 帰属収入 帰属収入
人件費 教育研究経費
帰属収入 帰属収入
イ 分析目的によっては,消費支出の部合計穎を100(%)とする構成比
率が役立つ場合もある。
ウ その他の関係比率としては,例えば次のようなものがあげられる。
(ア) 学生生徒等納付金に対するものの例
消費支出 人件費 教育研究経費
学生生徒等納付金 学生生徒等納付金 学生生徒等納付金
借入金等利息 学生生徒等納付金 学生生徒等納付金
学生生徒等納付金 学生生徒数 教職員数
(イ)補助金に対するものの例
補助金 補助金 補助金
消費支出 学生生徒等納付金 学生生徒数
(ウ) 消費収支項目のうちとくに経常的な収支の項目についての例
経常的支出 経常的支出
経常的収入 学生生徒等納付金
※経常的収入=学生生徒等納付金+手数料十補助金+資産運用収
入+事業収入+雑収入
経常的支出=人件費+教育研究経費+管理経費+借入金等利息
(3)貸借対照表
ア 構成比率を付した数期間の比較貸借対照表の観察によって財政状態
の現況と期間的な推移の概観を把握することができる。
イ 貸借対照表上の資産に対して,負債及び基本金等のその調達源泉を
示す関係にあるので,これら両者の関係比率は,財政状態の判断に有
力な資料を提供する。
例えば,次のようなものがあげられる。
固定資産
自己資金 (固定比率)※自己資金=基本金+消費収支差額
固定資産
自己資金+固定負債 (固定長期適合率)
負債 流動資産
自己資金 〈負債比率) 流動負債 〈流動比率)
現金預金 現金預金
流動負債 (現金比率) 前受金 〈前受金保有率〉
基本金に関連するものとしては次のようなものがあげられる。
基本金要組入額 基本金 基本金
自己資金 自己資金 基本金要組入額
4 財務分析の解釈(評価)について
分析の結果,分析者はこれらの比率等の数値をみて,その数値の背後にあ
る学校経営や財政の是非についての判定を下すことになる。この領域の分析
作業を「解釈」とか「評価」という。
数値の解釈に際しては,分析者の知識,判断力に依存する面が多いので,
分析者は学校法人会計基準に対する周到な理解を持つことが望まれる。
(昭和51年4月19日付け文管振第164号で標記の件につき各都道府県知事に通知)